フェブラリーS/テスタマッタが悲願のJRA・GI初制覇

第29回フェブラリーS・GI(ダート1600m)は19日、東京11Rに16頭で争われ、後方を追走した7番人気のテスタマッタが直線で豪快に突き抜け、09年ジャパンダートダービー(3歳交流GI)以来のGI勝利を挙げた。勝ちタイムは1分35秒4。2馬身差の2着は同じく後方待機組の4番人気シルクフォーチュン、さらに3/4馬身差の3着には2番人気のワンダーアキュートが入った。なお、単勝1.5倍の1番人気トランセンドは行き脚がつかず好位からレースを進めたが、直線で伸びを欠き、7着に敗れた。

 悲願のJRA・GI初制覇に、村山師は声を震わせる。「ゴール前は心のなかで“そのまま!”って叫びましたよ」。08年10月、厩舎に初白星をもたらした孝行息子の大仕事。騎手時代にはサンフォードシチーで00年JCダート2着、01年のこのレースでは1番人気で4着に敗れた。待望の瞬間に喜びもひとしおだ。

 右手で大きくガッツポーズをつくった岩田は「“やってマッタ”と思った。もっと上手にエスコートできていれば、さらにはじけたのかもしれないが、それでもこのパフォーマンス。さすがです」と完勝劇に舌を巻いた。

 悲願のVで今後の選択肢も広がった。国内のビッグレース転戦はもちろん、登録済みのドバイにも目が向けられる。「オーナーと協議してからになるが、ワールドCに選出された場合は視野に入れていきたい」とトレーナーは意欲的だ。まだ進撃は始まったばかり。新たな勲章を胸に、さらなる強敵が待つ舞台へと殴り込む。