栗東トレセンニュース /トレイルブレイザー&トランセンドが好調教

 今週の栗東は5日夜から6日、そして7日の午前中にかけて冷たい雨が降り続けた。降水量自体は決して多くなかったはずだが、馬場が乾く暇もなく8日の追い切りを迎えたため、ウッドチップ馬場は非常に重い状態。先週から回復傾向にあった坂路やCWも、先々週の時計の掛かる馬場に逆戻りした印象。

【坂路/4F51.9秒】
 8日の一番時計はセイクリムズンの4F51.8秒。普段なら50秒を切ろうかという攻め駆けする馬がこの時計で一杯になっているだけに、馬場の重さは相当なもの。またラスト1Fを13秒切るのが至難の業となっており、13秒を切った馬は僅か9頭。全体的な時計の見ると、4F54秒、1F13秒前半なら十分動けていると見てよいだろう。

 全体的に共通しているのは「併せ馬で追走した馬が先着するまでの脚力を使えていない」という点。京都記念を予定しているヒルノダムールが併せ馬で遅れるというシーンは考えられなかっただけに、極端な表現をすると「精神的に伸びることを萎えさせてしまうような馬場」に思える。

 好天の9日も馬場状態には変わりなく、当ニュースを始めて最も時計が掛かった馬場差『+2.2秒』で観測している。

【CW/5F66.0秒】
 8日、9日とも坂路同様に時計の掛かる状態はCコースも同じ。テンから飛ばしていくようなことがあれば、終い1Fが14秒、新馬クラスなら15秒も平気に要してしまう。坂路と違って全体の走破距離が違うだけに、バテて時計が遅くなるのは当然だが、それ以上に調教による疲労が気になるくらいの止まり方をする馬も少なくなかった。

 そんな中でも動きが目立つ馬は何頭かいたが、昨秋から今年に入ってからの充実ぶりを動きに表現したのがトレイルブレイザー。画像は7日の坂路でのキャンターの様子だが活気十分。今朝9日はCWでトゥザグローリーを追走したが、内から並びかけると一瞬で1馬身抜け出して先着。栗東所属の京都記念出走組では最も目立つ動きを見せたのではないだろうか。

 好天の9日も馬場状態には変わりなく、当ニュースを始めて最も時計が掛かった馬場差『+1.6秒』で観測している。

【DP/5F64.5秒】
 ウッドチップ馬場の状態が悪いということで、ポリトラック馬場で追い切る馬が続出。さすがは時計の出るDP、6F80秒を切る馬がスピード全開で目の前を駆け抜けていった。

 朝一番に追い切られたトランセンドは文句なしの6F74.5秒。これに近い時計で動いた馬は何頭かいたものの、それらの馬はラスト1Fが止まり加減。ところがトランセンドに関しては最後まで余裕たっぷり。追い切り後も「飼葉をバリバリ食べています」と安田隆行調教師が話すように、オーバーワークどころか、適度な運動になったというところだろう。

馬場差は先週より利用した頭数が多い関係で少しだけ時計を要した感じ。8日、9日とも5F換算で先週より0.2秒遅い『-0.3秒』で観測している。(取材:井内利彰)

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。